いつものオレンジメタさんが、オイル漏れやらなにやら色々やって欲しいとのことで入庫です。まずはカムハウジングのオイル漏れから。
エキマニとカムハウジングの間くらいに常にオイルが溜まっているとのことで、画像は拭いちゃったあとですが、拭いても拭いてもくぼみに溜まるらしいです。タイミングベルトを外してカムをハウジングごと外してガスケットを取り出します。
前回、念のため液体ガスケットを塗って組んだのですが、特に切れているところも無いですし問題無いように見えます。今回はもう少し柔らかいグレーの液体ガスケットで組み直します。カムハウジングが組み上がったらタイベルを張ってシム調整をし直します。お次はオイルパンです。
まずミッションを支えてからミッションマウントを外し、さらにエンジンとミッションを支えているメンバーを外してからオイルパンを外します。前回、液体ガスケットを使わずに、コルクタイプのガスケットのみでやってみたのですがイマイチでした。
一応ガスケットはオイルパンとブロックに貼り付いていましたが、ところどころ隙間がありました。オイルパンはまだ半年も経っていないのですが、結構汚れました。また軽く掃除をして組付けます。今回は黒いゴムタイプのガスケットに、グレーの液体ガスケットを使ってみました。メンバーを戻してミッションマウントを付けようと思ったら、結構マウントが潰れてました。
今となっては1500用の硬いタイプのマウントは手に入らないので、みなさん1300用の少し柔らかいタイプを仕方なく使っています。そのためヘタリが早くなっています。今回は中古ですがもう少しマシなものが手元にあったのでそれを付けておきました。
液体ガスケットが固まるまでの間にシフトロッドのブーツが切れているので交換します。
このブーツを外すために、一度シフトリンケージを切り離します。その際に違和感を感じました。
ボルトが上から刺さっていて、シフトレバーからのロッドがミッションからのリンケージの上に付いています。多分正しくはその逆だったはずです。
オーナーさんがシフトがスムーズに動かなくて、ギアが入らないことがよくあると言っていたのですが、原因はコレではないでしょうか。
お次はパーキングブレーキの引き代を少なくして欲しいとのことでメンテホールを開けて調整します。
X1/9はリアキャリパーにパーキングブレーキのワイヤーが繋がっているので、調整の確認のためにキャリパーを見ると…
フルードが漏れてます…。キャリパーを外してオーバーホールです…。
一番下に写っている、ピストンと繋がるネジ状のパーツにOリングが付いているのですが、それが劣化すると漏れるのです。このタイプのキャリパーを使っているFiat/Lanciaのクルマでは定番のトラブルです。
目視ではっきりわかるくらい劣化してます。コイツを交換して、キャリパー本体のピストンシールの溝をキャリパーホジ郎で掃除します。
掃除が済んだらシールをはめてピストンを挿入します。
ピストンの表面には錆で少しピッティングができてます。とりあえず今は漏れては来ていないようなのでこのまま組みます。キャリパーが組み上がったらクルマに戻しますが、ついでなのでブーツの破れたワイヤーも交換します。
メンテホールのカバーを外して、ワイヤーのリンケージを外し、ワイヤーを取り出します。
下の2本が新しいワイヤです。X1/9のワイヤは左右に分割されていて、2本使います。ワイヤのリンケージとプーリーも掃除しておきます。
これらを元に戻して、引き代を調整後、ブレーキラインのエア抜きをします。
リアブレーキが終わりました。オーナーさん曰く、ブレーキのタッチが良くないとのこと。ペダルの遊びを少し減らそうと思ってブレーキランプスイッチを見たら、もう殆ど調整ができないくらい遊びが少ない方向になっています。けど、まだ遊びはあります。よく見ると、ブレーキランプスイッチの先端に付いている黒いプラスチックのキャップが付いていませんでした。
仕方が無いので手元にあった中古のキャップを取り付けて、遊びが少なくなるように調整しました。
ついでにクラッチペダルも調整して高さを揃えておきました。
お次はストラット周りの不具合です。オーナーさんがリアのスプリングシートの位置を間違えて組んだらしく、シートがきちんと座っていなくて曲がっちゃってます。
一旦ストラットをバラして、中古ですが別のシートを入れて正しく組みました。
最後にフロントのアッパーマウントの金具がボディに干渉してしまうとのことで、金具を削って欲しいと。
ツバの部分を全て削り取ったのでクリアランスは充分です。マウントを留めるボルトが1本無いのはオーナーさんのこだわりの部分です。こだわりというか苦肉の策というか…。明日、引き渡しの予定です。