少し寒さが和らぎ、少しだけ楽に仕事ができそうな本日、奇しくも、60・ 70・ 80年代のイタ車が並びました。
こちらはほぼ何もしてないのですが、とりあえずエンジンを降ろす準備をしています。
こちらは昨年動くようにして車検を取った個体ですが、全塗装から上がってきてキレイになったので、内外装や細かいところの仕上げをするために入庫です。
こちらのキレイなジュニアは、スターターの不良とのことで入庫です。部品出しの都合もあるのでとりあえずスターターを回してみました。キーをオンにしても全く何も点きません。完全にバッテリが上がっています。充電済みのバッテリを繋いだらスターターは問題無く回りますが、初爆も何もありません。火が飛んでいないっぽいので確認してみると、ディスビのセンターコードまでは高圧が来ていますが、プラグへのコードには全く来ていません。プラグを外してみます。
真っ黒です。しかもデポジットでブリッジしかかっているものもあります。新品に交換しようと思いますが、とりあえず手元の中古の良品でエンジンの始動確認をしようと思い取り付けました。で、再度点火を確認したところ、4番以外は火が飛ぶようになったのですが、4番だけダメです。プラグコードの導通をテスタで計ってみたら無限大です。プラグコードの新品も要調達です。
とりあえず手元にあった一番長いプラグコードを付けてみましたが、4番には短くて届かないので、3番のコードを4番にして、手持ちのコードを3番にしました。これでめでたく全部の気筒の点火が確認できました。
ディスビキャップを外したついでに、念のためポイントギャップもチェックしてみました。0.2mmくらいしかなかったので0.4mmくらいに拡げておきました。ローターには破損等は無く、抵抗値も問題無いのでそのまま使います。シャフトの真ん中のフェルトにエンジンオイルを垂らしておきました。ガバナの動きも問題ありませんでした。
ここまでやって火は問題無く飛んでいるのに、相変わらず全くかかる気配がありません。次は燃料系です。ガラスボウルの燃料フィルタが使われていますが、スターターを回しても底の方に少しガソリンが溜まっているだけで、その量は一向に変わりません。ポンプの出力のホースを外してクランキングしてみましたがガソリンが来ません。で、ポンプを外した図です。先日動くようにしたSpider Duettoも105系のエンジンなので、交換した古いポンプをちょっとお借りして付けてみたところ、エンジンは問題無く始動しました。
新品に交換する手もあるのですが、分解可能なものなのでバラしてみました。内部のアルミの肌に腐食があって、ワンウェイバルブの密着が悪くなっているようです。腐食部分を掃除して磨いておきました。
ダイヤフラムの状態も確認してみました。硬くはなっていますが、割れ等はありませんでした。掃除して元通りにします。
ついでにフィルタも汚れていたので、分解して清掃しておきました。このクルマ、ポンプもフィルタもオリジナルのFISPAのものが残っています。なるべくこのまま残してあげたいですね。
ポンプとフィルタを掃除してからクルマに戻したところ、問題無くエンジンがかかるようになりました。点火時期も問題無いですし、吹け上りもイイ感じです。エンジンを止めて何気に床を見ると、新たな汚れを発見。
その汚れの上を見ると、中間タイコに穴が開いています。さらにパイプの接続部を見ると…。
割れを補修したような跡がありますが、そこがさらに割れていてちょっとだけ漏れています。今回はスターターの不具合に関してしか依頼されていないので、このあたりはどうするかオーナー様と相談しようと思います。クラッチフルード、ブレーキフルード、エンジンオイル等の油脂類も汚れていますし、バックランプが点かなかったり、ロービームとハイビームの切り替えが効かないとか、ちょこちょこと不具合もあることですし。