300SL

Mercedes-Benz 300SL

花粉の季節です。鼻がムズムズします。こちらは90年代の300SLですが、色々問題があるとのことで入庫です。

お疲れちゃんのステアリングのタイロッド

ハンドル操作をすると音が出ます。ステアリングは昔ながらのギアボックス式で、センターのリンクロッドと左右のリンクロッドの3本で繫がれていますが、それらの先端にはボールジョイントが付いています。今回は右のロッドの内側のボールジョイントに遊びがあって音が出ていました。1つがダメだということはそのうちすぐに他もダメになるので、左右の内外ともに交換することにしました。

交換後

センターのロッドとダンパーは近い過去に交換されているようでしたので、左右のロッドを新品にしました。ボールジョイント部分のタイロッドエンドだけを交換することもできるのですが、古いスリーブから4つのエンドを外してから新しい物を付ける手間賃を考えたら、スリーブごとの新品を用意して長さだけ合わせて交換したほうが良いとの判断でそうしました。この後トーを測定して、調整して終了です。

お疲れちゃんのスターター

お次は、たまに異音がするだけでエンジンが回らないというスターターの問題です。ソレノイドスイッチへの電圧が低くなっていることも考えられるのですが、電圧降下はそれほどでもないのでスターターの問題と判断し電装屋さんにリビルドをお願いすることになりました。

取付け

電装屋さんに古いスターターを預けて見てもらったところ、部品番号が1つ違いのほぼ同じスターターの新品がたまたま在庫にあったとのことでしたのでそちらをいただきました。取り付け後は異音も無く、きちんと毎回エンジンが回るようになりました。

フューズボックス

最後は、気付くとエアコンやパワーウィンドウが動かなくなっているという不具合です。旧いヨーロッパ車にはイモムシ型とか呼ばれている樹脂ボディのフューズが使われているのですが、エアコンがらみのフューズのボディが溶けて接触しなくなっています。交換してもエアコンを使いながらパワーウィンドウを使うと、やはり溶けてしまいます。フューズボックスの蓋の表記を見ると、右のパワーウィンドウ・左のパワーウィンドウ・エアコンのブロア等の3回路はそれぞれ独立したフューズになっているのですが、このクルマは1つのフューズにまとまっているようです。

フューズボックスの裏側

助手席足元側壁にあるフューズボックスを外すのですが、老体にはとても無理な体勢での作業を強いられます。外して裏を見たところ、特に改造されたような跡は無く、元々3つの回路は1つのフューズから取られているようです。多分パワーウィンドウのモーターが経年劣化で動きが渋くなっていて、モーターの動作時により多くの電流が必要となってしまっているようです。パワーウィンドウの配線を特定して切り離しましたが、さらに左右を分けるにはフューズボックスより上流まで配線を追って探さなくてはならないので、とりあえずエアコン系とパワーウィンドウ系のフューズを分けておきました。そのうちパワーウィンドウのモーターもなんとかしなくてはならないかもしれませんが、今回はこの対応で済ませることにしました。バラした部分を元に戻して動作確認後、めでたく納車となりました。久しぶりの長文、ご清聴、ありがとうございました。