小さな高級車

トヨタ プログレ

今月初めての投稿ですいません。暑い日が続いており、工場内は連日40度を超えていますが相変わらず忙しくしてます。久しぶりにウチらしくないクルマが入庫です。VSCとTRCの警告灯が点きっぱなしなのでなんとかして欲しいとのことです。トヨタ車には良くあるトラブルのようです。

警告灯

うちに来られる前にディーラーで相談したらしいのですが、ろくに原因を探ってもいないのに修理に最悪30万以上かかると言われた挙句、古いクルマなのだからと新しいクルマへの買い替えを勧められたとのことです。まぁディーラーの言い分も判らないでもないのですが、オーナーさんはこのクルマを気に入って乗られていて、なんなら修理不能になるまで乗りつぶしたいくらい好きなのに、それを知ってか知らずか気安く買い替えを勧められて憤慨する気持ちも、それはそれで良く判ります。そもそもですね、警告灯が点いていること以外何の不具合も無く乗れているのですから…。

で、この警告灯が点きっぱなしになってしまう原因はいくつかありまして、エラーコードを読めば大方の原因は判るのですが、真面目に追っていかないとディーラーの言う通り、あれやこれや部品を交換してあっという間に30万とかいう話になります。

ヨーレートセンサ

エラーコードの読み出しからヨーレートセンサの故障が考えられたため、念のためコネクタ間の導通や短絡等の問題が無いことを確認後、初期化などの作業をしましたがやはりエラーが出たままでした。ということで原因はヨーレートセンサ自体と判断しました。ただですね、部品屋さんに聞くと、定価が111,000円とかおっしゃります。ほぼコイツが原因であることは確かなのですが、万が一外れた時のことを考えると衝撃があまりにも大きすぎます。信用できるかどうかは別として中古のパーツだと1/10程度で買えます。今回はオーナーさんの了承を得て中古のパーツで対応することにしました。

バラし中

件のヨーレートセンサはシフトレバーの根元付近に鎮座しています。センターコンソールをバラしてようやくご対面です。センサ自体の交換は簡単なのですが、化粧パネルに傷を付けたりしないようにしながらセンサにアクセス可能にするまでが大変です。いや、この手のクルマの内装をバラすのに慣れたところであれば訳無いとかおっしゃるのでしょうが、ウチみたいな野良犬のような車屋には中々敷居が高かったりします。整備書を見ても、どこにツメが刺さっているとか、ここはパッチンと嵌まっているとか、そういう情報は書いていないので、初めてバラすクルマはとても緊張します。また、ハーネスに問題が無いことを確認するために、センサがつながるスキッドコントロールECUのコネクタもアクセス可能にしなくてならないのですが、そちらは運転席の足元にあるのでそっちもバラさなくてはならないのです…。

お疲れちゃんのヨーレートセンサ

外したヨーレートセンサをバラしてみました。センサとは言っても中身は小規模コンピュータ並みの部品です。10万以上するのも納得です。『小さな』という形容詞は付きますが『高級車』を謳っているのですから、使われている部品も高級なわけです。センサを交換後、整備書に書かれている手順通りに初期化等の作業をしたところ、無事に警告灯が消灯しました。今回は優しい御仁のおかげで整備書を参照することができたので大変助かりました。長距離の試走をしても再点灯することもないので、今回はこれで様子を見てもらうことになりました。しばらくは何事もなく乗れるよう祈るのみです…。