クルマなのに、エアコンを掛けると川のせせらぎのような音がするということで入庫です。ドレン通路が詰まっているために、ブロワファンのケースの中にエアコンのエバポレータから出た水が1リッターくらい溜まっていて、その水をファンが掻くとせせらぎが聞こえるという仕掛けです。それはそれで風流な気もするのですが、室内はカビ臭いですしオーナーからしてみれば『う～ん、風流だねぇ』なんて呑気なことは言っていられないのでしょう。

グローブボックスを外したり色々バラして水を抜いて一件落着です。ただ、以前に修理した人がドレンパイプを破壊しちゃったらしく、ホットボンド的な接着剤で補修するという罠が仕掛けられていました。私はまんまとその罠にハマってしまいましたが、プラスチック溶接で返り討ちしてやりました。こうして中古車の修理屋は、風流な情景からはほど遠い殺伐とした荒野に仕掛けられた敵の罠と戦うような日々を送ることになるわけです…。