500

Fiat 500L

こちらの500、エンジン始動不能ということで入庫です。火が飛んでいないかもとのことなので見てみましたが、火は飛んでいます。ですが、片方のプラグが結構カブっていたので失火気味でした。プラグの掃除をして、ポイントギャップ・コンデンサの良否・ローターとキャップの劣化・ガバナ進角の良否・スタティック進角等をチェックして問題の無いことを確認しました。

キャブレター

点火系を点検したところエンジンは普通にかかるようになったのですが、アイドリングの回転数がかなり高めで、時々失火しています。キャブのミクスチャスクリューを調整してみたのですが、いくら開けても濃くなる様子がありません。インマニとの隙間などからはエアを吸っている様子もないので、キャブを外してバラしてみました。

取り付け

バラせるところは全部バラして掃除と点検をしましたが、汚れてはいましたが薄くなるような原因は見つかりませんでした。最後にトップカバーを付けるときにガスケットの破れが無いかをチェックしていたところ、メインスロートの穴の周りに違和感があります。よーく調べたら、このキャブのスロートサイズは26なのですが、付いていたガスケットは28用のものでした。メインの穴が大きいために、本来であればガスケットによって塞がれるアイドル経路が塞がれずに開いてしまっています。ガスケットを26用の物に交換したところ、キチンとミクスチャの調整ができるようになりました。

組み上がり

アイドルの回転数が異常に高かったのは、低い回転数では薄すぎてまともにアイドリングしないので、苦肉の策でファストアイドルの辺りまでスロットルを開けてアイドリングさせていたからのようです。

シフトリンケージ

エンジンは調子良くなったので下周りもチェックしました。特に大きな問題は無かったのですが、シフトリンケージのゴムが滲んだミッションオイルによって溶けてしまっています。まだ千切れる感じでは無いのですが、ちょっと力を入れるとグニュグニュと動くので新品に交換します。

新旧のシフトリンケージ

新しいリンケージは形とか角度は古いものと同じなのですが、穴の距離が数ミリ短くて、ギアをバックに入れようと思ってもうまく入りません。仕方が無いので取り付け穴を長穴にして、不要な部分を溶接で埋めて穴の距離を伸ばしました。エンジンも問題無いしバックにも入るようになったので、試走をして問題無ければ納車の予定です。